練習問題-8



『頼山陽書翰集』徳富猪一郎.木崎愛吉.光吉元次郎編

頼山陽書翰五通目。
そろそろ慣れてきたかと思いきや、難しいです。


始めから終りに至るまで判読に苦戦しました。結果は惨敗です。

とはいえ文面の主旨は分りやすく、前段は大水、後段は楽翁祭文の削正依頼。
詳しくない私でも、楽翁と山陽翁との話は少し見た覚えがあります。

山陽翁、仕上げた祭文に自信あり、けれども韵に確かめきれないところがあったらしく(あるいは他人の意見を聞きたかったか)、小竹翁・世張翁に削正を依頼しているのだと思います。

答、解説

『頼山陽書翰集』徳富猪一郎.木崎愛吉.光吉元次郎編

  
本文
「溽暑」画像、この字は知りませんでした。しかし「辱」字部分は以前の問題に出たものと同じです。
「御健全」画像、練習問題-4に見た字と同じだからと「御佳令」にして誤り。全く同じに見えます。普通「健」を「佳」と同形に書くときは「令」字をはっきり「全」と書く方が親切です、とはいえ文脈は「健全」です。

 
「鴨水瀬變」画像、「變」字は候補の一つでした。しかし意通じずと思い捨て。
「二間程」、これは全く見誤り。
「纔漲防止」、たしかに「漲」字です。
「周忌」、愚かにも「内忌」と読み誤り。
「受知遇候事恝然も如何」、「恝然」はともかく「受知遇候」は読めねばならず嘗胆。
「自跡」の訂正「即冩」、意を解せず捨てた候補。
「不文飾出入」、「飾」字は言われてみれば納得。
「告命之寘霽」画像、「告命」は精査するも「告命」でなく「去聲」と見る。
「牽強」、「牽」字理に適った書き方です。
「轉數韻」、「韻」「韵」字の使い分け。
「往々有之」。
「寘韵中妃字」、「始」字と誤認。
「用紙韵候」、候抜け。
「蒸々」、「々」か「候」か「ニ」かよく悩みます。
「不癈杯杓」。
「胡瓜」「まる切」「審椒」、「みそあへ」でしょうか?
「乗晩涼」、たしかにそうです。
「擧數杯而已」、「杯」不審。
「御興寄」、変った言い方です。すいぶんと間違えました。

  
追而
「江産新茶」画像、「江」字やゝ疑はしけれども「練習問題-5」と見比べれば同じと分る。私は「所産」と読み誤り。
「可被下候」画像、「可申候」と少し微妙なところです。意味百八十度変るので要注意。
「廣島人庄兵衛者に」、この「者」は漢文風に「なるものに」と読めば良さそうです。

尚々
「毛大可」、「大可」か「奇」か悩みて誤り。
空白のところ「と云ものありて」見えますか?
「張殻古韵」、本文と同じく「張」字に至らず。
「暢其所不至」、解説の誤植→「暢其所未至」。

 
「銘贊」画像、人名の方の「黄」かと勘違い。「練習問題-6」のときはもっと分りやすい「贊」字でした。
「據之候てよろしきと」、ひらがな見えず。
「不縛於沈約」、「縛」字でしたか。

  
先述「告命」の「告」字、「練習問題-5」の「告」字画像、「練習問題-10」の「去」字画像と見比べていかゞでしょうか。