練習問題-25


『頼山陽書翰集』徳富猪一郎.木崎愛吉.光吉元次郎編

とうとう山陽翁の書翰、最後の一通です。
これまでの経験を以てすれば読み切れる、と言いたいところですが、いつもと同じ調子です。
ところどころ、何のことを云っているのか解しがたく、おそらく斯ういうところは間違えているのだろうと感じます。

「莫大の骨折、陳書と一例になり可申哉」などゝ、文面おもしろいです。


答案389字中、誤読11字(2.82%)。いかにも凡骨な結果でした。「務」字で4字落し...

     
「講讀中」画像、左傍サンズイ・ニンベンと決めて掛り、どうにも分りませんでした。真っ先に溝壑にあるを忘れず、の「溝壑」に当りをつけ、きっと溝に相違なしと。
「信矣」画像、「矣」字にしたかったのですが、「信矣」ときてはなんのことやらわからず「失」着。
「不務知」「而務争」画像、「務」か「紛」か最後までどっちつかず、却句「務」字に補筆なしと判断して誤読。左傍は全く「務」字のものと分っていながら外したのはいかにも惜しいです。しかしこれは基本の字形でしたから、地力が足らんというわけです。
「経術」画像、「経」字はなにか色んな字に見えてしまい誤り。
「不可焉也」画像、当然「焉」字としか見えず、けれども「不可」と「也」とに挟まれて「焉」字とくれば、一体なんと読むのかと浮き足立ち、「為」に換えて誤り。

翻刻「不拘居り」、たゞしくは「不構居り」。

解説

山陽翁の若かりし頃は、なにかさすが天才と思わせるものがあります。
次は何を読もうか、丁度良い材料が見付かれば良いのですが...