練習問題-12



『頼山陽書翰集』徳富猪一郎.木崎愛吉.光吉元次郎編

練習問題-7に見た通俗躰と同様の手跡です。
これといって難しい字は出てこないだろう、と安心して取り組めます。


「ニ」か「々」か、識別に迷いました。
また、平仮名と片仮名を織り交ぜてこられると、判断に苦しみます。
では、答へ。


結果を見ると、1135字中、誤読26字、誤字率2.29%でした。(検討してみると、誤読25字に減りました、誤字率2.2%)
唐成分の多い山陽先生の書翰に比べて、早期の書翰は格段に読みやすかったわけです。

省みると、誤字のおよそ半数は平仮名でした。
単純な抜けと入力ミスもありましたが、どうもしっかりと平仮名を見分けられていないようです。
普段、平仮名の草書は使っておらず、それが良くないのかもしれません。

    
「度々」、良い感じに黒塗りがかゝり「愈」と間違えました。
「始め」、答を見ても本当に「始」と書かれているか疑わしいです。
「相成申候しや」「御出被成候しや」、「しや」は初めて見ました。語尾の「じゃ」でしょうか?
「御揮毫」、一見してそう思いましたが、よく見ると竹冠が有るではないかと再考して「筆」字にして誤り。いや、只今改めて確かめたところ、やはり「御揮筆」が正解ですね。おそらく編者の方が反射的に「御揮毫」としたのでしょう。

   
猶々
「爐」、初見で「燵」と誤認してしまい、三字落しました。後から出てくる同字をよく見ていればと後悔するほかないです。意味はかなり近いのですが。
「海量」、人名ですか?、同形「童」字にして誤り。

  
「御聞」、前出の「居間」かと勘違い、そんな筈はありませんね。
「寒さ」「さいゝゝ」、今回は「さ」なのか「ま」なのか、山陽先生はどちらの積りかとぐらぐらしました。