練習問題-11


山陽先生の書翰を読み始めてから、これで八通目。
写真が不明瞭なため、後回しにしていた分です。


□は虫食いや不鮮明によって読めない字を表し、■は読めなかった字です。
とてもおもしろい文面です。


モニターを見ての答え合せは、著しく眼を疲労させるため、手書きに替えました。
誤字も数えやすく便利です。

   
「地獄」、不明瞭ですが読めなくはない筈です。
「縁」、この左傍との組み合わせを把握しておらず、後出の「縁」字も読めませんでした。
「扨やくざ」、読めますか?
「夢魂纏綿」、これは編者が反射的に「綿」字を入れたのだと思います、正しくは「夢魂纏繞」。「魂」字、尤も草体。

     
「非羆」「非他」、連続する「非」字の形、突如として「非他」で変る、これに引っ掛かりました。はじめ「非他」としていましたが、どうもこれは「兆」にすべきかと氣を廻し。
「所謂」、これはやられたと思いましたが、後日改めて見ると、やはり次行の「所得」と同字です。そもそもこのくだりは「此度の得物」云々ですから、つまり答の方が誤読でした。
「囉」、形を見た侭でしたね、もう一度後に出てきます、思い浮かばず。しかも「もらふ」と読むことを知りませんでした。
「戯謔」、「謔」字の草体を見るのははじめてかもしれません。

    
「這入儒」、「儒」字を「傷」「湯」かと悩み誤り。
尚々
「二歩一匁」、読めますか?不明瞭にて、答を知れば成程という具合です。
追啓
「申置候さそ」、「申置候」までは読み筋でしたが、「さそ」と続かず、まとめて匙を投げました。
「懸合」、「懸念」と勘違いして後々まで尾をひきました。以前、練習問題に「合」と読んだにもかゝわらず。
「鍳定」、「鍳」字はともかく、「定」字は下絵と紛敷く、もう少し線の多い字を想定していました。

答案1691字中(不正確)、誤読76字、4.49%(但後日改め、4.43%)。
答を確かめてから、誤字が多いと長歎息しておりましたが、割合をもって見ると前回に同じです。

誤読には、読めない欠字は読みを誤っても数えず、読むにくい不明瞭な字は判定して数え、編者の明らかな誤字脱字は数えませんでした。

解説

この書翰、「文化十四年」とあるは誤植、正しくは「文化十年」です。後日気付きました。