練習問題-21



『頼山陽書翰集』徳富猪一郎.木崎愛吉.光吉元次郎編

麻疹を患った山陽翁、六七年前の蒸菓子と茶を取り出して、食べたのでしょうか?
料紙に蝶や鳥の画が摺られていて、ちょっと印刷物では文字に重なって読みづらかったです。

手応えからして、誤読率2%内に収まれば上出来、3%内で合格です。



答案362字中、誤読5字(1.38%)、上出来です。
これで上出来と申しては志の低いことながら、今の実力ではこのぐらいが關の山です。

「又々」のところは、蝶が邪魔してどうしても識別できない具合でしたから勘弁してもらいたいですね。

    
「数欲一見候」画像、今回この「欲」字を読めなかったことが尤も残念でした。練習問題-5の経験を生かせず。そして何より、この字の判読は文脉の死活の急所に当ります。
「簏底」画像、ハコの漢字は第一の読み筋でしたが、どうにも該当する漢字が分らなくて、「囊」に逃げました。違和感を覚えたものは、やはり違っており、なるほど「簏」とは恐れ入ります。
「螙魚」画像、これといって考えず、シミといえば「蠹魚」でしょうと決め打ち。
「堆裡」画像、「帷裡」ではどうもおかしいと思いながら甘かったです。
「凡例もあり」画像、凡そ刷りものがあるからそっちを送ろう、と言っているのかと勘違い。

反省すべき點は多いです。けれども、これまでの経験もそれなりに生きており、まずまず安心しました。
山陽先生の書翰はあと少しで終りです。

   
今回の翻刻、「文章典刊(古文典刑)」画像はおかしかったですね。なぜ「刊」に見えたのか、不思議でなりません。
尚々の「小生」画像、私的にこゝが峠でした。
次いで「因病」画像です。「病」字は終筆が飛んでいて、「病」字に決し難いのです。
そして誤読には数えなかった「又々」画像です。「々」字の左側に「又」字の終筆が流れていて、どう見ても不自然です。いや、只今改めてみると、この終筆の流れは蝶の触覚ですね。絶妙な位置に触覚が被っています。