実践問題-5


『東山蘆徳林書簡』筆者蔵

ずっと以前のこと、なにか目当てとする古文書を買ったとき、これも同じところから出たものだから、とまとめて呉れた中の一通。
その時、パッと見て誰の筆やら知れず、また目当てのものではないから、とさほど氣にも留めず長らく放っていました。

芦東山記念館所蔵の『飯塚家資料目録』に一連の書簡を見出せて、蘆東山に相違なしと判り、文面の瑕字も少しく埋めることが出来ました。
たとえば、「□□筑後殿」は登米郡米谷所の「高泉筑後殿」、「自宮崎御□所」は「自宮崎御預所」といった具合です。

同目録内の「(金銭払書付)、12月20日改」とある文書が、こゝに掲げた書簡と共に有ったものでしょう。
また、「仲内親子」とは目録の「八谷仲内」のことかと。

   
「昨日の」画像、合っているかどうかちょっと不安です。
「御首尾」画像、躊躇するも読めましたが、あとあと読みやすい形で出てきました。

よほど急いで書いたのか、ガサガサとした筆跡です。

 
「願共に」画像、はじめ「預」字ではないかと思い、今でも悩んでいます。というのも後の「御願」画像と字形に差あり。