実践問題-12


『頼山陽書簡:チ06 03890 0091 0005』早稲田大学図書館蔵

梅雨入り目前にて已に湿氣あり、体調丈けでなく、どうも古文書の読みも冴えません。
しかし、かえって心氣は充実し、読みたい本の名が脳裏に山積しております。『文章規範』『古文眞寶』『唐宋八大家』辺りの初歩の書は押えておきたいですし、名文と名高い『戦國策』も読みたく、もう一方で漢詩をどうしても勉強しておきたいとも思い、凡愚の身の程を弁えず分野を拡げ、果して読んだところで身につくのか疑わしい限りです。
とりあえず、読んでいる途中の『滄溟先生尺牘』をものにしたく、毎日ちょっとづゝ仕事の間隙に読んでいます。そしてその更に間隙に『文章規範』を放り込みつゝ、古文書を読むという日々です。

   
左から順に「聯」「よろこひ」「御達」「一謝」と読みました。なにか、むっ?と詰ったのはこの辺りです。
後々、字典を引くと「聯」字はこれで良さそうです。「御達」、「達」字は「幸」字を援用したもので、普通はこう書きませんね。「一謝」は、「一諭」も読み筋ですが、文脉からして「一謝」かと。


「御取帰借し賃に」、この「帰」字は字形はそう見えるものゝ不自然です。これが「御取揚」とくれば、意味は通るのですが...